肝硬変になるとどうなるか

肝硬変とは、肝細胞を多くの線維が取り囲んだ状態です。

ウイルスなどにより肝細胞が破壊され、短いインターバルで、
肝細胞が死と再生を繰り返すと、再生結節と呼ばれる線維ができます。

このような線維ができ、肝臓が凸凹になっていくことを、
「線維化がすすむ」といい、血液の流れに異常が生じます。

■代償性肝硬変と非代償性肝硬変

肝硬変は、肝機能がよく保たれている代償性肝硬変と、
そうでない非代償性肝硬変に分類することができます。

肝臓は予備機能があるため、一定レベルまでは肝機能を
保つことができますが、それを超えると症状が出始めます。

非代償性肝硬変になると、黄疸や腹水、体のむくみ、
肝性脳症、食道や胃からの出血などの症状が見られます。

代償性肝硬変の場合、このような症状が見られないのが一般的です。

 

■肝硬変がすすむと肝不全に

肥大症性の肝硬変になると、胆汁の生産や流れが悪くなり、
黄疸が出たり、胃からの出血も見られます。

胃からの出血は粘膜への血液量が減り、胃潰瘍などができるためです。

このような出血で肝臓への血液の供給量が減ると、
肝細胞に大きなダメージとなります。

また、腸内でアンモニアが増加して意識レベルが低下するなど、
非代償性肝硬変は悪循環に陥り、ついには肝不全になります。

肝不全には、急性と慢性があり、劇症肝炎などは急性の肝不全です。

肝硬変などの慢性肝疾患がこのような症状を示した場合は、
慢性の肝不全となります。

 

 

肝炎の種類

ひとくちに肝炎といっても、肝炎の種類は色々あります。

例えば、

・ウイルス感染によるもの
・アルコールの摂り過ぎによるもの
・自己免疫性のもの

などです。

しかし、これらのうち日本でもっとも多いのが、
ウイルス感染によるものです。

ウイルス感染による肝炎には、A型、B型、C型、D型、E型の肝炎があり、
日本人の肝臓病の80%はウイルス肝炎によるものだといわれています。

また、肝炎には、急性肝炎と慢性肝炎があります。

急性肝炎は、ウイルスの初感染で発病したもので、
慢性肝炎は、感染が継続し肝機能の異常が6ヶ月以上みられるものです。

急性肝炎になると、GOT、GPT、ビリルビン値などの
肝機能の数値に異常が現れます。

急性肝炎の初期の症状は、まず風邪のような症状が現れ、
ついで全身のだるさや黄疸が出るのが一般的な流れです。

ただ、このような自覚症状がなく、肝炎にかかったことに
気付かないまま治ってしまう場合もあります。

ウイルス感染による肝炎以外には、薬害性の肝炎もあります。

これは特定の薬を飲んだ場合に、肝機能が悪くなるもので、
多くの場合、服用から4週間以内に発症します。

薬害性の肝炎の引き金となる薬には、抗生物質、抗がん剤、
解熱鎮痛剤、向精神薬、麻酔薬などがあります。

ただ、最近では健康食品による肝機能障害のケースもあります。

良かれと思って服用していた漢方薬などが、肝炎を悪化させる場合も
あるので、服用の際には医師に相談することが重要でしょう。

D型肝炎とB型肝炎の同時感染

D型肝炎は地中海沿岸や台湾など限られた地域での感染がほとんどで、
日本において問題となることはあまりありません。

D型肝炎ウイルスは血液を介して感染しますが、
他の肝炎ウイルスにない特徴があります。

それは、

 

感染にB型肝炎ウイルスのHBs抗原を必要とすること

 

です。

このような特殊性のため、B型肝炎ウイルスとの同時感染か、
すでにB型肝炎ウイルスのキャリアだった人がD型肝炎ウイルスに感染します。

ただし、このようなD型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスに
同時に感染するようなケースは少なく、HBs抗原陽性者の0.6%に過ぎません。

このようなB型肝炎ウイルスとの同時感染が起きた場合、通常の経過は、
B型肝炎がおさまると同時にD型肝炎も治ります。

そのため、D型肝炎が慢性化することはほとんどありません。

ただし、2つの肝炎が同時に起きるため、症状が
重くなりやすい点には気をつけるべきでしょう。

 

B型肝炎ウイルスのキャリアは注意が必要

 

D型肝炎ウイルスに特に注意が必要なのは、B型肝炎ウイルスキャリアの人です。

なぜかというと、B型肝炎ウイルスキャリアの人がD型肝炎ウイルスに
重複感染すると、肝炎が重症化したり劇症化するケースがあるからです。

特に、B型肝炎ウイルス患者のうち慢性肝炎を起こしている人への重複感染は
劇症化を引き起こしやすいので、特に注意が必要です。

B型肝炎ウイルスキャリアは日本に100万人以上いると言われています。

特に、幼少時の予防接種時の注射器の回し打ちによって、
知らないうちに感染していて、後になって分かる事も少なくなりません。

現在、B型肝炎訴訟が実施されているので、予防接種などによって
B型肝炎ウイルスキャリアになった人は、B型肝炎給付金請求ができます。

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C型肝炎について

日本のウイルス性肝炎の中で最も多いのが、C型肝炎です。

急性肝炎の約20%、慢性肝炎の約70%がC型肝炎によるものと言われています。

C型肝炎ウイルスは血液によって感染します。

感染ルートとしては、

・輸血や血液製剤の投与
・医療行為による感染
・タトゥーやボディーピアス

などのルートが間が考えられます。

性交渉や母子感染はまれだと言われていますが、育児中に口移しで
食べ物を与えるなどして感染が確認された例があるので、
このような行為には注意すべきでしょう。

C型肝炎はサイレントキラー

C型肝炎はあまり激しい症状が出ないまま、徐々に病気が進行し、
気がついたら肝硬変や肝がんになっていることが多いため、
サイレントキラーといわれています。

C型肝炎ウイルスに感染すると、潜伏期間ののちに急性肝炎を起こし、
全身倦怠感や食欲不振、嘔吐などの症状が出ます。

このような急性肝炎の症状に続いて、黄疸などが現れるケースも
ありますが、他のウイルス性肝炎に比べて症状は軽く、
劇症化するケースはあまりありません。

急性肝炎の発症後、20~40%の人はC型肝炎ウイルスが消えて、
肝機能も正常に戻ります。

しかし、60~80%の人がキャリアとなって、
その多くは慢性肝炎へと移行します。

慢性肝炎から20年ほど経過すると、およそ30~40%の人が
肝硬変に進展し、その後高確率で肝がんへの進行します。

このようにC型肝炎は激しい症状がでないものの、
時間の経過に伴い、じわじわ病気が進行するという怖さがあるのです。

 

 

A型肝炎について

ウイルス性の肝炎には様々なものがありますが、
今回はA型肝炎について書いていきたいと思います。

A型肝炎は生水や魚介類などの飲食物で感染することが多い肝炎です。

A型肝炎に汚染されているなどを生食した場合などに、
A型肝炎に感染することが少なくありません。

ただし、A型肝炎ウイルスは加熱によって死滅するので、
火を通したり揚げ物にするなどして熱調理したものであれば、
感染の心配はありません。

また、飲食物以外にも、感染の初期には便にウイルスが排出
されるため、二次感染に気をつける必要があります。

A型肝炎の症状

 

A型肝炎の症状としては、数週間の潜伏期間のあと、
まずは発熱や倦怠感などの風邪のような症状が出ます。

それに続き、食欲不振や吐き気などの症状が出て、
肝機能の低下や黄疸などが見られます。

多くの場合、1ヶ月ほどでA型肝炎ウイルスは消えて、症状は回復します。

急性肝炎から慢性肝炎に移行するケースはほとんどありません。

ただし、40歳以降で感染した場合には注意が必要です。

子供の頃にA型肝炎ウイルスに感染した場合は、症状が軽いまま
自然治癒することが多いですが、40歳を過ぎている場合だと、
重症になる場合も少なくありません。

まれに劇症肝炎に発展し、腎不全になるケースもあるのです。

一度A型肝炎に感染していれば一生免疫が成立しますが、
近年では子供の頃に感染せず、抗体を持っていない人が増えています。

A型肝炎は東南アジアなどで流行しているので、旅行の際には、
生食を避けるなどの注意が必要でしょう。